【グローバルアイ】日本の野球チーム、どこに向かうのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.07.28 12:19
昨年8月、東京特派員として赴任後の初めてのミッションは“野神”金星根(キム・ソングン)監督とのインタビューだった。彼がSKの監督職から半強制的に退けられてから一週間ほど経った時だった。金監督が京都の近くに泊まっているようだとの情報を受け、金監督の携帯電話番号だけを頼りに京都行きの新幹線に飛び乗った。メディアを避けて日本へ来た彼が見ず知らずの特派員と会うわけがなかった。駅周辺の旅館に陣を張り、一縷の希望でうわさを頼りに金監督の知人を尋ね回った。しかし無駄足だった。金監督は一日に一回は電話を取ってくれたが「今の私に何が言えるというのか。申し訳ない」という返事だけだった。「お疲れ様です。韓国に帰って来ました」という金監督の文字メッセージを受け取り、私は5日目にして京都から東京に帰った。日本での初ミッションは大失敗だった。
それから11カ月、金監督がSK監督職から退いた後に書いたというエッセー集『金星根だ』を捜して読んだ。35度を越える京都の炎天下の路地を当てもなく歩いた痛い記憶のためだった。本の中には彼の“野神”たるゆえんが書かれていた。「私は選手と食事をともにしない。プライベートな情を断ち切らなければ精神力が弱くなって決定的瞬間に一歩退く」「決断はすべてのものを得るのだという心ではない。むしろ、どのくらい果敢に捨てられるかによる」「バットを抱きしめて眠るほど野球に狂ったバッターがなぜいないのか不満だ」「世の中にはどこにも捨てる人はいない。一つの長所を見つけて育ててやるのがリーダーだ」「自分の位置を守るのに執着すれば全力投球できない」などなど…。『金星根だ』が改めて私に悟らせてくれたことは、組職を生まれ変わらせるリーダーの力、リーダーシップの厳しさだった。最下位チームをチャンピオンでに育て、怠け者選手を練習虫に変貌させる力言葉だ。これはどこかのプロ野球チームだけの話だろうか。