柳簫然（ユ・ソヨン、２４、ハナ金融グループ）は約２０メートルのパットを次々とホールに寄せて沈めた。９アンダー、６アンダーの第１、２ラウンドで柳簫然（ユ・ソヨン）と一緒に競技したアンナ・ノルドクビスト（２７、スウェーデン）は柳簫然のパットを見て首を振った。

柳簫然が２５日（日本時間）、カナダ・オンタリオ州ロンドン・ハント・アンド・カントリークラブで終わった米女子プロゴルフ（ＬＰＧＡ）ツアー、カナディアンパシフィック女子オープンで優勝した。最終ラウンドの３アンダーを合わせて計２３アンダー。初日からトップを守り、大会のベストスコアを５打も減らした。２位は２１アンダーの崔羅蓮（チェ・ナヨン、２７、ＳＫテレコム）、３位は１８アンダーの朴仁妃（パク・インビ、２６、ＫＢ金融グループ）だった。

柳簫然がＬＰＧＡツアーで優勝したのは２０１２年８月のジェイミーファートレドクラシック以来２年ぶり。柳簫然はこの２年間、トップ１０に２７回も入ったが、優勝は目の前から遠ざかった。ようやく通算３勝目を果たした。

選手は時に体の奥深くに隠れている「スーパー能力」を引き出す。打撃力が低い野球選手がプレーオフで本塁打を連発したりもする。平均１００打以上のアマチュアゴルファーが立て続けにバーディーを決めることもある。

神経精神科のイ・テクジュン博士は「野球のボールがスイカのように大きく見えたり、ゴルフで距離があるパットでも入りそうな確信が生じることがある。何でも可能な、夢のような無我状況と没入の時期が存在する。これを心理学界ではゾーン（ｚｏｎｅ）という概念で表現する」と説明した。

「ゾーン」は心理学者チクセントミハイの「没入（ｆｌｏｗ）」概念から始まった。芸術家が生産性と創造力を最大限に高める没入の時間を時々持つことに着眼した。スポーツにも応用される。“ゴルフ皇帝”タイガー・ウッズ（３９）、“バスケット皇帝”マイケル・ジョーダン（５１）のような偉大な選手は平凡な選手よりもゾーンに頻繁に入り、一度入ればさらに長くとどまるということだ。ゴルフ心理学者のトーマス・ファレロはこの状態に入るための基盤を自信と見ている。緊張をせず、前向きな期待感の中でショットをすることをいう。


＜ＬＰＧＡ＞カナディアンオープン上位３位を韓国人選手が独占（２）