【社説】MERS危機の兆し…国家非常事態を検討すべき=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.05 13:39
昨日午後からMERS(中東呼吸器症候群)騒動が、国家的な大型災難に広がるかも知れない緊迫した危機状況をむかえている。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は昨夜、緊急ブリーフィングで「MERSの疑いがある患者だったソウルのある医師が隔離通知にもかかわらず、1565人が参加する開浦洞(ケポドン)再建築組合総会やシンポジウムなど大型行事の場に数回出入りして不特定多数と接触した」と明らかにした。この医師はその直後MERS確診判定を受けた。また、この医者にMERSを感染させた2次感染患者が1時間30分の間市外バスに乗り、救急車を呼んで応急室に移送されたことが明らかになった。この2人のMERS確定患者の動線を考えるとMERS統制網が完全に穴があいた可能性を排除できなくなった。あれほど懸念してきた病院外の感染(地域社会感染)という災難が起きる可能性も大きくなった。
今、韓国政府は国民の命を守るために最悪の状況まで覚悟して国家的非常事態を悩まなければならない。MERS対応段階を「注意」から「警戒」や「深刻」に引き上げる非常措置まで検討しなければならないだろう。韓国国民はMERSというウイルスより政府の対処の方により不安を感じている。文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部長官は初期状況を誤認して次官を対策班長にしたが、1日になってようやく関係長官対策会議を要求した。福祉部と教育部が第一線の学校の休校について話が食い違った。主務長官が全体の状況を十分に掌握できずにうろたえ、経済・社会の2人の副首相は存在感を感じることができない。朴槿恵(パク・クネ)大統領はMERS発生から約半月で対策会議を主宰した。