【コラム】守るべき理想、避けられない現実=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.03 10:56
将来を約束する夢と理想がない人や共同体は、無気力な真空状態に陥りやすい。その一方、今ぶつかっている現実を冷遇したまま夢と理想だけに執着する人間や共同体の終末は、淘汰されて破綻に至る可能性がある。このように理想と現実の乖離は人間が持つ宿命であり宿題なのかもしれない。ゆえにその乖離を認知して間隔を狭める努力を怠らない賢い人間や賢明な共同体を、私たちは必要とする。解放70周年を迎える今がまさにそんな時だ。
70年前の8月、私たちは植民地のくびきから解放されて帝国主義の時代が幕を下ろすのを見守った。しかし分断と同族相克の戦争、深刻化し続けた対決によってつづられた過去70年は、光栄と恥辱の民族史だった。この過程でますます克明にあらわれたものは何よりも平和と民族保存の原初的な重用性だ。戦争は、しかも核戦争は必ず予防されなければいけないということが民族的・国家的な至上課題として浮上した。