力で下げたドル…日本を30年苦しめる為替相場の報い(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.09.22 09:57
#場面1。1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテル。米国、英国、フランス、ドイツ、日本の5カ国の財相が集まった。世界貿易を牛耳る国の経済トップの会合は隠密に行われた。日本の竹下登蔵相は取材陣を振り切るためにゴルフウェア姿で空港に行き太平洋を渡った。会議が始まると米ベーカー財務長官は声を高めた。「円があまりに低評価され米国の貿易赤字が深刻だ。円高を誘導してほしい」。ドルを下げ米国の輸出競争力を回復し貿易赤字を減らしたいという内心を露骨に示したのだ。ベーカーの圧迫に財相らは円切り上げ、ドル切り下げに同意した。彼らは米国の赤字が続けば基軸通貨であるドルの地位が揺らぐことになることを懸念した。外国為替の需給により為替相場が決定される「市場経路」を経ない強制的・人為的決定だった。世界の為替相場史に最も厚い章で記録される「プラザ合意」はこのようになされた。
#場面2。2015年9月16日。米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は日本の国債格付けを4番目の段階である「AA-」から5番目の段階の「A+」に1段階引き下げると明らかにした。S&Pは引き下げの理由として、「経済成長を促進しデフレを打開しようとする日本政府の景気浮揚策は2~3年以内に経済状況を逆転させられないだろう」と明らかにした。「アベノミクス」を掲げた日本政府が中央銀行の輪転機を回してお金を印刷しインフレ誘導と景気回復を試みているが、短期間に景気の下落傾向を戻すのは難しいとみたのだ。