「最悪の危機」が迫るという平壌は今(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.04.05 13:08
4月の平壌(ピョンヤン)の雰囲気が尋常でない。「朝鮮民主主義人民共和国」を創業した首領・金日成(キム・イルソン)主席(1994年死去)の誕生日、4・15行事で雰囲気が盛り上がるべき北朝鮮の内部で緊張感が漂っているというのが、対北朝鮮情報関係者の伝言だ。何よりも2月末のハノイ米朝首脳会談決裂の余震が続いている。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(35)の核・ミサイル挑発が招いた対北朝鮮制裁は北朝鮮経済を強く締めつけている。食料不足で春窮期を心配する声が海外の北朝鮮大使館にまで広まっている。さらに金正恩体制の崩壊を標ぼうする組織「自由朝鮮」までが登場した。この組織は亡命政府の設立に言及し、「自由の命令を拒否するほど金正恩政権は恥をかくことになるだろう」(2日にホームページに掲載した立場表明)と気勢をあげている。
金正恩委員長がつまずいたのはハノイ首脳会談でトランプ大統領から予期せぬ一撃を食らってからだ。非核化と対北朝鮮制裁解除をめぐる談判は北朝鮮の予想とは違って容易でなかった。手ぶらで帰還する60時間余り、金正恩委員長は専用列車の中で切歯腐心したはずだ。
実際、今年の対外戦略履行の最初のボタンは悪くなかった。2019年の「新年の辞」の冒頭で金委員長は「希望の夢を抱いて新年を迎える」と述べた。過去1年を振り返っても「歴史的な初の朝米首脳会談は、最も敵対的だった米朝関係を劇的に転換させ、朝鮮半島と地域の平和と安全を保障するのに大きく寄与した」と自負した。米国との「新しい関係樹立」の用意までも明らかにした。金委員長は直ちに北京を訪れて中国の習近平国家主席と会談(1月8日)し、今後の対米関係戦略などに関する助言を受けたのは間違いない。しかし後見国を名乗り出た習近平主席の中国も交渉家トランプ大統領の変則プレーを予想できなかった。