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【コラム】危機の韓国経済、韓日通貨スワップ復元など最後の安全弁を用意する時(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.15 10:06
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過去2年間、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のお決まりの発言の一つが「マクロ指標は安定的に管理されている」というものだった。その後には必ず「経済成長率は前政権よりも改善し、輸出も6000億ドルで過去最大」という自慢を欠かさなかった。しかし今年は物価上昇率、失業率、外貨準備高などばかりを口にする。最も重要な指標である成長率と輸出・設備投資は抜いている。今年1-3月期の10年ぶりの最低成長(-0.3%)、通貨危機以降の最悪の設備投資(-10.8%)、5カ月連続で減少した輸出は前に出すのが恥ずかしい数値だ。

それでも大統領は「巨視的に見ると韓国経済は大きく成功した」という幽体離脱話法に固執している。「現実を認めない政府の存在自体がさらに大きな危機」という経済学者の警告には耳をふさぐ。ここには所得主導成長の失敗を認めた瞬間、政治的に自滅するかもしれないという恐怖感がある。ひとまず来年の総選挙まで財政を注入して持ちこたえてみようという計算だが、思い通りになるかは疑わしい。韓国経済を審判する死神が近づいているからだ。国際格付け機関のことだ。

 
先月24-26日にムーディーズの例年の協議団が訪韓した時のことだ。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は24日午後に協議団と面会する前の同日午前、6兆7000億ウォン(約6170億円)の補正予算を公式発表した。発表のタイミングまでムーディーズを意識したのだ。それだけ政府も深く懸念している。翌日(25日)に韓国銀行(韓銀)が1-3月期の成長率マイナス0.3%を発表したことで色あせてしまったが。

次はムーディーズ協議団に会った国内エコノミストが伝えた内容だ。

質問=ムーディーズ側の関心は何か。

エコノミスト=例年とは違って北核に関する質問はほとんどなかった。多くの韓国経済の数値と見通しはすべて把握して来る。今年は(1)成長率目標(2.6%)は達成可能か(2)税収見通しが良くないが、財政健全性は悪化しないのか(3)過度な半導体依存に対する代案は何か(4)市場的だった韓国でなぜ全国民主労働組合総連盟(民主労総)のような反市場主義が勢力を強めるのか--という4つの点を詳しく問いただした。

質問=格付けは落ちるのか。

エコノミスト=すぐに現在の「Aa3」を[Aa2」に格下げする可能性は50%以下だろう。しかし今後の見通しを「安定的」から「否定的」に変える可能性は高いようだ。これは6カ月以内にマイナス要因が改善されなければ格下げするという予告と変わらない。

質問=どんな影響が予想されるのか。

エコノミスト=1999年2月以降、韓国は12回も格上げされた。保守・進歩政権に関係なく一度も格下げされたことはない。これが20年ぶりに格下げとなる場合、文在寅政権は致命傷を受けるしかない。これ以上は「経済が良くなっている」と言い張るのも難しくなる。

質問=どうすれば格付けを維持できるのか。

エコノミスト=世界の流れと正反対の政策方向は危険だ。先進国は「小さな政府」に向かうが、韓国だけが「大きな政府」だ。世界は「減税」の動きを見せているが、韓国だけが「増税」を固執している。

質問=政府はどう対応すべきか。

エコノミスト=格下げになれば経済政策を展開できる余地が狭まる。財政健全性のために今のように思い切って財政を投入しにくくなる。景気浮揚のための政策金利引き下げも難しくなる。ウォン安ドル高による外国資本の離脱まで考慮しなければいけないからだ。


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