【中央時評】心のウイルス=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.31 14:19
中国武漢近隣で発生したことが分かった新型コロナウイルスで韓国各地が落ち着かない。目に見えることも触れることもできないウイルスが、私の周辺の誰かの衣服の一部についていて、それが私の家族と隣人を狙っているという考えこそ怖いものはないだろう。さらに、それが初めて見つかった「新型」ウイルスというもの、その正確な破壊力や伝播力、そして伝播経路さえも分かっていないという事実、すなわちその相当部分がまだ私たちの無知の領域にあるという事実はこのような恐怖をさらに大きくしている。
私たちは思いがけなくふと、すでにお馴染みの心のウイルスに感染している自分自身を発見する。不安、恐怖から始まり、嫌悪、排除、扇動につながる選挙工学も観察される。感染させるのはウイルスの仕業だが、感染して伝播するのは人のやることという意味で、根本的に疫学は社会的で政治的であるという事実を再確認する。新型ウイルスに対する恐れが潜伏していた、もしかしたらそれよりも何倍も恐ろしい心のウイルスを猛スピードでまき散らしているといえる。