【コラム】地球で韓国だけ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.26 10:00
いまは2121年、ここはイタリア・トスカーニの小さなレンガ造りの家だ。春になるとこの地域特有のヒノキの木は薄緑色に着替える。美しくか弱い葉を見るたびにおばあさんは語る。「ここで生まれてどれだけ幸せか」。そしてサンジョベージェのワインを1杯。おばあさんのおばあさんが思い出されてのことと私は察する。ちょうど100年前、韓国で生まれたその方。新型コロナウイルスというパンデミック疫病が吹いた時に防疫もしっかりやり、BTS(防弾少年団)を輩出した国。教科書で学んだが、行ってみることはできない。
おばあさんのおばあさんは逃げた。2021年にソウルで生まれたことが問題だった。そのころ韓国の男と女は互いを極度に嫌い始めたという。10代である私も相棒の男の子ミケレと毎日けんかをするのだから男女のけんかはありふれたものではないかと思うが、おばあさんは首を振る。「深刻だった。政治家がその対立を利用して助長してからはさらに」。最初は軍隊が問題だったと。休戦状態である韓半島(朝鮮半島)の男たちは兵役の義務を負っている、一部がなぜ自分たちだけ行くのかと反発したという。一部の女は怒って男も子どもを産め、生理をしろ、私たちは1000年差別されてきたと真っ向から対立したと。本当に変だ。21世紀になって21年が過ぎてそんな論争をしなければならなかったというからだ。尊敬を受ける元祖フェミニストのグロリア・スタイネムが「男にも月経があれば」というエッセーを書いたのは1986年だったのに。