【時視各角】アフガン危機の本当の被害者、北朝鮮?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.31 10:06
米軍撤退によりアフガンで生き地獄が繰り広げられ内外で関連ニュースがあふれている。韓国では韓国を支援したアフガン人と家族を救った英雄物語があふれる。これに対し海外では北朝鮮とタリバンの関係に対する怪談が飛び交う。実際に米国防総省は25日、「北朝鮮はタリバンと疎通しており、特殊訓練をともにしたこともある」と明らかにし、「米軍がアフガンに残した先端兵器を北朝鮮が買い取る可能性もある」との報道も出ている。
だが私たちが関心を持つ部分は別にある。アフガン問題で米国の世界戦略と対北朝鮮政策が影響を受けることになったという事実だ。まず対北朝鮮問題に力を入れていないバイデン政権が北朝鮮を放置する公算がさらに大きくなった。トランプ政権以来米国の世界戦略は「テロとの戦争」から「新たな強大国間の競争」に進化してきた。アフガンからの米軍撤退がこうした変化の象徴だった。だが米軍13人が死亡した自爆テロはバイデン大統領の足を引っ張った。人気挽回に向けアフガンで何かを見せなければならない境遇に追い込まれたのだ。
このように尻に火がついた米国としては北朝鮮に対する関心を減らすほかない。深刻な食糧難の中の北朝鮮は制裁の一部解除に向けてでも対米関係を改善したがる。こうした状況で米国との対話の可能性が消えたためさぞやもどかしいことだろう。米国の外交専門誌ナショナル・インタレストが「アフガン危機の本当の被害者、北朝鮮」という記事を掲載した理由もここにある。もちろん北朝鮮をこのように放り出すものではない。2026年になれば北朝鮮の核兵器は200個以上になるという。30日には北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の核施設を再稼働したという報道まで出てきた。時間は決して味方ではないのだ。