<Mr.ミリタリー>北核先制打撃論争より徹底的な対応が先だ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.27 13:28
1837年、英国と米国の間で小さな紛争が発生した。当時、英国の植民地だったカナダでは反乱軍が独立を狙っていた。反乱軍は戦闘に必要な武器と人員を米国船籍のキャロライン号に積んでカナダに進攻する計画だった。これを発見した英国軍は同年12月29日、米国の港に停泊中のキャロライン号を拿捕して火をつけた後、ナイアガラの滝の下に遺棄した。この過程で米国人2人が殺害された。
米国政府は英国に強く抗議した。しかし英国は自衛および自己保存の必要(necessity of self-defense and self-preservation)を主張した。カナダ反乱軍の攻撃を受ける状況に対応した先制的な自衛権行使ということだ。この事件は数年間にわたり攻防が続き、当時のウェブスター米国務長官が英国に送った手紙で終結した。
手紙の内容は、自衛(self-defense)が成立するには必要性(necessity)、すなわち状況が先制攻撃以外の手段を選択する余裕も考える時間もないほど切迫(instant)していて圧倒的(overwhelming)だったかなどを立証する必要がある、というものだった。ウェブスターの手紙に英国は同意し、両国は英国の武力行使の正当な理由が認められるという点に合意した。