【コラム】金正恩執権10年、発展したのは核兵器だけ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.04.22 14:38
2012年4月、多くの人々はこの若いスイス留学経験を持つ指導者が北朝鮮の新しい時代を開くと期待した。あれから10年、希望は失望に変わった。しかし金正恩(キム・ジョンウン)が北朝鮮の変化と現代化を試みたのは事実だ。金正恩は何を成し遂げて、北朝鮮はどう変わったのだろうか。
執権初期、彼は何度か硬直した北朝鮮経済を改革しようとした。協同農場の処分作物量を少しずつ増やし、市場も容認した。一部の住民の生活水準も改善した。しかし長くは続かなかった。改革は覆って統制経済がまた明言された。2021年から北朝鮮指導部は計画経済の重要性を力説している。経済自由化の側面で2012年とは違う状況で、食料問題もはるかに悪化した。金正恩は執権後の最初の演説で、1990年代の苦難の行軍の時期に戻ることはないと公言したが、いま国連機構は北朝鮮の食料事情を警告している。煙突から煙が出なければ隣人が生死の確認をするという報告もある。
何が問題だったのか。振り返ると当初から失敗する運命だった。1つ目、経済自由化と厳格な政治統制の並行は不可能に近いが、この2つが衝突するたびに北朝鮮は政治統制を選んだ。2つ目、経済自由化措置はいつも深刻な腐敗を呼んだ。思想強国を強調する演説をみると、北朝鮮内の腐敗問題は深刻であるようだ。また北朝鮮は巨大な軍隊を抱えている。さらに新型コロナのため国境を封鎖したことで食料の輸入が中断し、状況はさらに悪化した。