「過去３０年の韓中関係は１０点満点中５点ほどの成績表しか残さなかった」。

今年８月で修交３０年を迎える韓中関係に対する韓国外大のカン・ジュンヨン教授の評価だ。カン教授は先月３０日、高麗（コリョ）大学で開かれた学術会議「韓中修交３０周年、そして韓中関係の未来」でこのように述べた。カン教授は韓中が１９９２年に修交して以来、過去３０年の韓中関係を振り返るとき「経済や人的交流では『最大』の成果があったが、安保分野では『最小』の関係だけを維持した点で１０点満点中５点の成績表しか残さなかった」と診断した。

修交当時、６４億ドル（現レートで約８６４７億円）だった韓中交易規模は昨年末には３０１６億ドルへと４７倍に増え、人的交流も１３万人から２０１９年末１０３７万人へ８０倍も増加するなど、経済と人的交流では飛躍的な発展を遂げた。しかし「北朝鮮がすでに核保有国になるなど、韓中修交当時に目標に掲げた韓半島（朝鮮半島）の安定と平和維持の側面ではちゃんとした成果を出すことができなかった」とのことだ。

カン教授は韓中が修交３０年という長い歳月を過ごしながらも、問題が生じた場合、問題解決のシステムをまだ確保できていないことが現在の問題だと指摘した。「韓中は、相手が怒っている場合、どのように対応すべきかほとんど知らずにいる」とし「そのうち誤解が誤解を招き、韓国の場合は『親中と反米』、『反中と親米』という両極端的なフレームに陥ることを繰り返している」と話した。

韓中が葛藤に陥るのは、北朝鮮とその核に対する構造的な認識の違いが大きな影響を及ぼしているとカン教授は診断した。カン教授は「中国は北朝鮮の核保有には反対するが、北朝鮮政権の崩壊は望んでいない。これは中国の立場で北朝鮮は米国と日本、さらには韓国を牽制（けんせい）する戦略的資産だから」と話す。そのため中国は北朝鮮がいくら北東アジアの安定を害すような行為をとっても、韓国と同じ側に立って北朝鮮を圧迫することはないということだ。

韓中間の認識の違いはこの日の学術会議でもそのまま現れた。韓中関係未来発展委員会執行委員長を務めた韓国国立外交院の洪鉉翼（ホン・ヒョニク）院長と中国国際問題研究院の徐歩院長は北朝鮮の核問題とＴＨＡＡＤ（高高度防衛ミサイル）事態、そして文在寅（ムン・ジェイン）政権の外交政策に対する評価を巡って、激しくやり取りをした。洪院長はＴＨＡＡＤ配備に対する中国の不当な措置が両国の相互認識と信頼を阻害していると述べた。洪院長は北朝鮮の核問題は韓国国民の立場では単なる重要な問題ではなく死活的問題だとし、北朝鮮と同盟関係であり北朝鮮対外交易の９０％を占める中国が核解決に関連してもっと積極的な役割を果たすべきだと主張した。

また、尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府が対中外交に関連して「相互尊重」を強調する理由は、文在寅政府が中国の立場を最大限尊重する対中外交を行ったにも関わらず、中国がＴＨＡＡＤ制裁を解除しないところを見て、中国は自分より力の弱い国に対しては尊重しないという認識を持つに至った結果だと診断した。洪院長は文在寅政府が中国との関係において相互尊重をそれほど強調しなかったと話した。

「韓中修交３０年の成績表は１０点満点中５点」（２）