【時視各角】自信と危機の間=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.15 14:56
金融市場が揺れながらまた話題になっている映画があるので探してみた。2008年のグローバル金融危機を素材にした『ビッグショート』という作品だ。住宅市場のバブルを看破し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)という空売り派生商品にオールインして金を稼いだヘッジファンドマネージャーの話だ。導入部に出てきたマーク・トウェインの警句が響く。「苦境に陥るのは知らないからではない。何かを確実に知っているという錯覚のためだ」。金融商品なら詳しいというウォール街の専門家らは、住宅市場とこれを基盤にした派生商品の安全性を少しも疑わなかった。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国政支持率が30%台に落ちた。危機だ。人事問題、配偶者リスク、失言、党内権力闘争などが理由に挙げられる。問題の底流は別にあるとみる。慎重さを失ったことだ。大統領とその周辺の行き過ぎた自信がアマチュア的な情熱と重なって問題を招いた。