「飛行機に贈り物ある、持っていってほしい」…サウジ皇太子「19時間の訪韓」の顛末
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.11.18 09:56
19時間の短い韓国日程を終えたサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が17日午後7時50分ごろ、城南(ソンナム)ソウル空港から日本に向けて出国した。元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官がサルマン皇太子を空港まで見送った。
サルマン皇太子は「韓国に滞在する間、歓待を受けた。協力に関連して多くの合意があり、感謝する」とし「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領からは親近感のある最高の待遇を受けた。深い友情と協力関係を築きたい。韓国の国民に大きな成就があることを望む」と述べたと、元長官が中央日報との電話で伝えた。
政府関係者によると、サルマン皇太子は韓国政府関係者への贈り物を準備してきたが、宿舎に運ぶことができなかったという。このため関係者に「贈り物を飛行機に置いているが、飛行機から持っていってほしい」と伝えたという。
元長官は今回のサルマン皇太子の訪韓に最も寄与したといえる。サルマン皇太子は石油中心のサウジの経済構造を変えるために先端未来新都市プロジェクト「NEOM」構築を主導している。元長官はこの事業で韓国企業の受注を支援するため、5日、受注支援団「ワンチームコリア」を率いて4泊6日の日程でサウジを訪問した。
元長官はサウジ訪問当時、国営石油会社アラムコの会長であり国富ファンド(PIF)を率いるヤシル・オスマン・アルルマイヤン総裁、ナドミ・アル・ナスルNEOM最高経営責任者(CEO)らと会った。また、サウジのエネルギー相・投資相・住宅相と国富ファンド総裁らと会談し、受注外交戦をした。
訪韓日程のキャンセルを検討していたサルマン皇太子も短い日程で韓国を訪問することになった。元長官のサウジ訪問が皇太子が心を変えた理由の一つになったというのが、外交関係者らの見方だ。
サルマン皇太子は短い訪韓日程で忙しく動いた。正午ごろから尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と会談し、漢南洞(ハンナムドン)大統領官邸で拡大会談と単独歓談、公式昼食会を行った。サルマン皇太子はこの席で「サウジの『ビジョン2030』実現のために韓国との協力を強化していくことを希望する」とし「エネルギー、防衛産業、インフラ・建設の3つの分野で韓国と協力を画期的に強化したい」と明らかにした。
午後5時ごろからは宿舎のソウル小公洞(ソゴンドン)ロッテホテルで国内主要企業の総帥らと1時間半ほど会った。この会合には李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長、崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長、鄭義宣(チョン・ウィソン)ヒョンデ(現代自動車)会長、金東官(キム・ドングァン)ハンファソリューション副会長、チョン・ギソンHD現代社長、李在賢(イ・ジェヒョン)CJグループ会長、朴廷原(パク・ジョンウォン)斗山グループ会長、李海旭(イ・ヘウク)DLグループ会長ら国内20大グループの総帥8人が出席した。
財界関係者によると、この日の会合では総事業費5000億ドル(約670兆ウォン、約70兆円)規模の「NEOM」事業をはじめ、さまざまな協力案が幅広く議論されたという。チョン・ギソン社長は取材陣に「長く多くの事業を共にしてきたパートナーと、今後も多様な未来の事業を共にしようという議論があった」と伝えた。
サウジはNEOMを通じてアカバ湾東側の砂漠・山岳地域の2万6500平方キロ(ソウルの44倍)を人工都市に変える計画を進めている。NEOMは自給自足型直線都市「THE LINE(ザ・ライン)」、海上先端産業団地「OXAGON(オキサゴン)」、エコ観光団地「TROJENA(トゥロジェナ)」で構成される。都市インフラと情報技術(IT)、エネルギーなどの分野で広範囲な事業が進行されるため、グローバル企業の受注戦が激しくなると予想される。