韓国元統一部長官「対北放送・ビラは戦略資産、心理戦を展開する必要がある時」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.30 10:12
「北朝鮮に対する放送やビラは、我々の強力な非対称戦略資産だ」
金大中(キム・デジュン)政府時代、初代統一部長官を務めた慶南(キョンナム)大学極東問題研究所の康仁徳(カン・インドク)碩座教授(92)が先月発刊した回顧録『ある中央情報分析官の人生』で、「今は北朝鮮に対して合理的かつ論理的で、積極的な心理戦を展開する時だ」と強調した。1970年代、中央情報部で北朝鮮情報局長、心理戦局長などを務めた康元長官は、対北心理戦関連の最高専門家とされる。康元長官は1980年から18年間、KBSの社会教育放送『労働党高級党幹部たちへ』など少なくとも5000回にわたって対北朝鮮放送番組の司会を務めた。
外部のニュースと接触がほぼなかった北朝鮮住民たちは、彼の放送を聞いて動揺した。実際、1983年2月、戦闘機「MiG-19」を運転して亡命した北朝鮮空軍操縦士のイ・ウンピョン上尉は康元長官に会い、「金日成(キム・イルソン)主席の演説や労働党の文献を持って北朝鮮の現実を赤裸々に批判する韓国放送を聞いて真実に気づき、亡命した」と話したという。