権寧世（クォン・ヨンセ）統一部長官は最近、尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が統一部の新年業務報告で「韓国側体制中心の統一」を明らかにしたことに対し、「吸収統一を（意味するわけでは）ない」と一蹴した。また、「今年、北朝鮮の７回目の核実験の可能性は開かれている」とし、「北朝鮮の挑発に対して報復する必要がある」と強調した。

権長官は前日（３０日）、ＫＢＳラジオ番組『チェ・ギョンヨンの最強時事』とのインタビューで、「体制が異なる二つの社会が統一する際に成功した体制を基準にして統一しなければならないという原則を大統領がおっしゃったもの」とし、「吸収統一」に対する解釈を一蹴した。

尹大統領は２７日、統一部の業務報告で「もし北朝鮮が今の韓国側より豊かに暮らすならそちらを中心にし、韓国側がはるかに豊かに暮らすなら韓国側の体制とシステムを中心に統一するのが常識だ」とし、「正当性と名分がどこにあるのか、それでは統一はどのような方式で行われなければならないのか。より良い方向に進むべきではないか」と述べたと、キム・ウネ大統領室広報首席が伝えた。相手国の意思と関係なく他の社会を吸収するという、いわゆる「吸収統一」を意味するのではないかという指摘が出てきた。

権長官は憲法第４条に明示された「自由民主的基本秩序に基づいた平和的統一政策」のレベルだとし、「我々は究極的に統一することになれば、国民投票などで国民の意思に基づいた自由統一、平和的統一になるだろう」と付け加えた。

さらに、権長官は昨年３月から取り上げられてきた北朝鮮の７回目の核実験の可能性に言及し、北朝鮮の挑発に対して報復する必要があるという立場を明らかにした。

権長官は同日、テレビ朝鮮『ニュース９』とのインタビューで、「北朝鮮の重大な挑発行為に対する対北心理戦の再開を検討するのか」を問う司会者の質問に「どのような措置を取るべきかを具体的に述べるのは適切ではない」としながらも、「北朝鮮が挑発した時に報復があることを示してこそ、これ以上簡単に挑発することができない」と述べた。

また「南北関係発展法上、南北関係に重大な変化があるか、国家の安全保障、秩序維持、公共福利のような必要に応じてかつて結ばれた合意に対して全部、または一部を停止できると法に記されている」とし「どのような対応を取るかＮＳＣ（国家安全保障会議）レベルで国防部、外交部、統一部が一丸となって準備を進めている」と説明した。

北朝鮮の７回目の核実験の時期については、「特定することは難しいが、今年も物理的に核実験が可能な状態は依然として維持されていると思う」と見通した。

一方、３１日、国防部庁舎で開かれる韓米政府の外交・安保首長会談では、北朝鮮の７回目の核実験をはじめ、北朝鮮の脅威行為に対する協力対策、拡張抑制の実行力強化に向けた具体的な対応策などが取り上げられるものとみられる。