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米国、中国「偵察気球」撃墜…米中関係、急激に悪化

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.02.06 07:26
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米国大陸を東南方向に横断した中国「偵察気球」が4日(現地時間)、東部サウスカロライナ州沖の領空で撃墜された。米国防総省は現存する世界最高の戦闘機「F-22」ラプターや駆逐艦など軍資産を動員して作戦を展開し、海中に沈んだ気球の残骸と偵察情報の回収作業に入った。ブリンケン国務長官が出発数時間前に訪中を電撃的に取り消したことに続き、中国が米国の気球撃墜に強く反発して両国関係が急激に悪化している。国防総省は別の中国「偵察気球」が中南米上空を通過中だと明らかにした。



 
国防総省高位関係者は記者会見でF-22戦闘機がサウスカロライナ州沖の上空で中国「偵察気球」を撃墜したと発表した。バージニア州ラングレー空軍基地から出撃したF-22はこの日午後2時39分ごろ、17.8キロの上空で短距離空対空ミサイル「AIM-9X」サイドワインダー1発を撃ち、18.9キロ上空にあった気球に命中させた。

作戦に参加したF-22コールサイン(無線呼び出し符号)「フランク01」と「フランク02」は、第1次大戦当時ドイツの偵察気球14機を撃墜したエースパイロットのフランク・ルーク・ジュニア陸軍航空隊中尉にちなむものと推定されると米国防専門メディア「Defense One(ディフェンスワン)」は報じた。作戦にはマサチューセッツ州防衛軍所属の戦闘機「F-15」とオレゴン・モンタナなどから出撃した空中給油機が動員された。

◇米国核基地を横切った中国気球、海に出るやいなや直ちに撃墜される

海上には海軍の駆逐艦、巡洋艦、ドック型揚陸艦が残骸回収のために待機した。作戦に先立ち、サウスカロライナとノースカロライナ州の空港3カ所で航空機離着陸が中断された。人命や航空機・船舶への被害はないというのが国防総省の評価だ。

気球とそれに装着された高解像度カメラなどスクールバス3台分の大きさ(全幅36メートル)の装置は約5分間かけて落下して米国領海に落下した。残骸は水深14メートルの海中約13キロにわたって散らばっている。偵察装備が回収されればバージニア州クアンティコの連邦捜査局(FBI)アカデミーに送られ、捜査が始まる。米当局は中国が収集した情報と偵察技術力を把握し、5大陸で発見された中国偵察気球艦隊を研究するために役に立てることができると期待している。

中国はこの気球が気象観測用飛行船だとして強く反発。中国外交部は5日、声明を出して「米国が武力を使用して民間用無人飛行船を攻撃したことに強い不満を示して抗議する」と発表した。声明は「中国がすでに調査した後、何度も米国に対して該当飛行船は民間用であり不可抗力的な理由で米国に進入した完全に想定外の事件だと知らせた」としながら「米国が意図的に武力を使用したことは行き過ぎた対応であり重大な国際慣例違反」と非難した。また「中国は関連企業の正当な権益を決然と守る考えで、同時にさらに必要な対応を取る権利を持った」として報復を示唆した。

国防総省は1週間前に中国「偵察気球」が領空に進入する前からその存在を認知して追跡してきたと明らかにした。気球は先月28日、アラスカ州西端にあるアリューシャン列島から米国領空に進入した。先月30日、カナダ西南の領空を通過して31日に米国アイダホ州に入ってきた。その後、モンタナ・ミズーリ・ノースカロライナ州を経てこの日サウスカロライナ州マートルビーチ付近から大西洋上空に抜けた直後に作戦が実行された。

中国「偵察気球」が敏感な施設がある地域を通過したため、米国では情報流出に対して懸念の声があがっている。気球が肉眼で目撃されたモンタナ州には核大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」150発が地下サイロ(固定式発射装置)に設置されたマルムストローム空軍基地など軍事施設がある。オースティン国防長官は「(気球が)米国の戦略的情況を監視するために」使用されたと判断した。

バイデン大統領は4日、「水曜日(2月1日)に気球に対する報告を受けたとき、国防総省にできるだけはやく気球を撃墜するよう命じた」としながら「誰にも被害を与えないようにするために最も良い時点は海に出てから12マイル(32キロ)内の地点に気球がある時に決定した」と述べた。

中国が6年ぶりの米国務長官の訪中を控えてなぜ気球を飛ばすような行動に出たのか疑問が残る。ブリンケン長官は5~6日に北京を訪問して習近平国家主席と王毅共産党政治局委員に会う計画だった。在米事評論家のトウ聿文氏は「最近、対中国包囲網を強化する米国に不満を抱いたままブリンケン氏の訪中を望まない北京内部の圧力が存在する」とし「中国外交部が3日までブリンケン氏の訪中を発表しないのは非常に非正常的」と話した。中国内の強硬派が米中対話サボタージュのために気球事件を誘発したのではないかという説明だ。

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