【社説】移住労働者の「コリアンドリーム」が危険だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.12 13:24
韓国で移住労働者の歴史は30年に達する。初めは何の制度もなかったが、1994年に外国人産業研修生制度を導入した。2004年には雇用許可制を実施し、「コリアンドリーム」を追ってやってくる人数が大幅に増えた。だが移住労働者に対する不当な待遇と差別的視線は相変わらずだ。現場ではまだ多くの移住労働者が劣悪な労働・生活環境に苦しめられる実情だ。
最近タイから来た60代の男性移住労働者が京畿道抱川(キョンギド・ポチョン)の養豚農場の近くで死んでいるのが見つかった。農場主はトラクターを使って近くの山に遺体を遺棄した容疑で逮捕された。現在まで他殺が疑われる点は見つかってないというが、警察と雇用労働部はこの農場を対象に全般的な労働環境と賃金未払いの有無を調査中だ。
死亡した移住労働者は2013年に観光ビザで入国してから10年ほどこの農場で働いた。毎月180万ウォンをもらい、20万ウォンほどだけ残し大部分をタイにいる家族に送っていた。不法滞在者だった彼はほとんど農場の外に出ず不衛生な環境の宿舎の中で生活していて悲劇を迎えた。組み立て式パネルの宿舎の内部にはあちこちにカビが生え、まともな暖房設備もなかったという。先月には全羅北道高敞(チョンラブクド・コチャン)で50代のタイ人移住労働者夫婦が密閉された部屋の中で火を付け一酸化炭素中毒で死亡する事件もあった。