【社説】「救急室たらい回し」10代患者の死、特段の対策を立てるべき=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.30 10:27
大邱(テグ)で10代の青少年が救急車に乗せられて病院の救急室を探している間に救急治療のゴールデンタイムを逃して死亡する事件が発生した。この患者は19日午後、4階建ての建物から落ちて頭や足首などをひどく負傷した状態だったという。目撃者の通報を受けて出動した119救急隊が患者を救急車に乗せて2時間ほど走ったが受け入れてくれる病院は1カ所もなかった。国内の救急医療体系の脆弱性を端的に示した事例だった。
これまで保健福祉部は全国どこでも1時間以内の到達を目標に圏域救急医療センターの拡充を推進してきた。そのうち大邱圏域を担当するのは慶北(キョンブク)大病院だ。今回の事故で119救急隊は患者を乗せて慶北大病院に駆け込んだが効果がなかった。「病床がなくて治療が難しい」というのが病院側の説明だった。当時2床が空いていたが、すでに別の救急患者を受けるために予約した状態だったという。119救急隊員が違う総合病院も6カ所も調べてみたが「病床がない」「担当専門医がなくて手術が難しい」という返事だけしか返ってこなかった。それでも事情がまだましだな広域市がこのような有様だ。
地方の中小都市の状況はさらに深刻だ。江原道(カンウォンド)の束草(ソクチョ)医療院の救急室は今月に入って、毎週4日だけ正常運営し、残りの3日は短縮運営している。4回にわたって年俸4億ウォン(約4062万円)台という条件を提示して応急医学科専門医を募集したが必要な人材を採用することができなかった。現在は応急医学科という専攻制限までなくして5回目の募集手続きを進めている。