【社説】「時すでに遅し」北朝鮮人権報告書、国際社会と協調してこそ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.31 11:04
大韓民国政府が主導した「北朝鮮人権報告書」が昨日初めて公開された。2016年3月にやっとのことで与野党合意によって「北朝鮮人権法」が制定されて毎年作成されたが3級機密に分類されてこれまで公開されなかった。人権法制定から7年を経て初めて公開された報告書は北朝鮮人権改善のための大切な第一歩という意味が小さくない。
公開された報告書は2017~2022年に脱北した脱北民508人の証言を基に世界人権宣言や国際人権条約など国際的基準が適用された。北朝鮮内部で起きた人権侵害事例を広く取りまとめている。国境地域で新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)防疫指針を破ったという理由で事前警告もなしで銃殺された事例、韓国の映画・ドラマなどを視聴・流布したとして公開処刑された事例も含まれている。
人権報告書が初めて公開されるまで迂余曲折も多かった。朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾の渦中に2017年執権した文在寅(ムン・ジェイン)政府は北朝鮮の顔色伺いに汲々として北朝鮮人権問題を軽視したという批判を受けてきた。実際、2020年から昨年5月政権交代時までの2年半ほど、北朝鮮人権団体のハナ院の出入りを禁止して脱北民に対する事例調査ができなかった。文在寅政府時期に統一部が調査をしたとしても、その結果を公開しなかったため議論になった。昨年5月尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府になったが、統一部官僚の消極的態度で今月初めになってようやく事例調査が再開された。