【コラム】金融危機、安心する時ではない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.02 10:00
米シリコンバレー銀行の破綻で始まった金融危機の不安感は米当局の迅速な措置で沈静化した局面だ。むしろFRBが今後金利の上げ幅を抑えたり、近く引き下げたりしないかとの期待感が金融市場の底辺に流れる様相だ。もう安心してもいいのだろうか。
もちろんそうではない。事実こうした期待、安心する雰囲気が広がるほど金融危機のリスクはもっと大きくなる。よく見ればシリコンバレー銀行の破綻も金利引き下げへの期待と関係がある。今後金利が下がると期待し、このシナリオに合わせて資産を運用していたらFRBが金利を「さらに高くさらに長く」維持すると明らかにし、金利引き下げに過度にベッティングした銀行が揺らぐことになったのだ。
危機の様相は多様だ。代表的安全資産で事実上「債務不履行リスク」がない米国債を多く保有しても金利変動にともなう「利率リスク」は避けられない。景気が停滞して金利が下がっていく「着陸」の状況だけを想定してストレステストをすれば金利が下がらない「無着陸」状況のリスクは分からない。銀行経営陣の誤った判断と当局の緩い規制が急変する金融環境の中で危機状況を作り出した。それでは今後こうしたことはこれ以上起こらないだろうか。