「命を捧げて罪をそそぐ」 むしろ参戦を煽るロシア正教会トップ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.09.30 13:14
ロシアによるウクライナ侵攻後、プーチン露大統領を説得して戦争をやめさせると期待された人物がいる。ロシア正教会最高位のキリル総主教(77)だ。プロテスタント、カトリックと共にキリスト教3大分派である東方正教会の最大教派のトップであり、プーチン大統領が従う精神的な柱として知られるからだ。しかしキリル総主教はむしろウクライナ侵攻を「聖戦」として両国間の葛藤を深め、国際社会の批判対象に転落した。フォーリンアフェアーズは14日(現地時間)、「キリル総主教がロシア大統領府の軍事的目標のための報道官の役割をしている」と紹介した。
キリル総主教はウクライナ侵攻以降、これを正当化する発言を続けている。昨年5月には「戦争は肉体を離れて霊的な闘争に入った」として聖戦を暗示し、昨年9月には「国のために命を捧げるのは罪をそそぐ犠牲」として参戦を勧めた。最近は大統領府関係者らと共にプーチン大統領の各種日程に同行し、影響力を誇示した。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「キリル総主教がロシア正教会を国営企業のようにプーチン体制の一部とし、政権に道徳的正当性を保障している」と指摘した。WSJによると、ロシア国内の正教会信徒数は人口の63%を占めるが、この人たちに戦争を擁護するようなことを話しているという趣旨だ。昨年5月、フランシスコ教皇はキリル総主教に対し「プーチン大統領の服事の役割をしてはいけない」と警告した。