0.1グラムの麻薬も見逃さない…タイで活躍する「K探知犬」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.10.02 13:33
先月20日午後4時、韓国仁川(インチョン)空港本部税関国際郵便通関センター。3歳になる麻薬探知犬「ディロン」が回り続けるコンベヤーベルトの上で忙しなく動いていた。数秒で通過してしまう高危険海外郵便物の臭いを嗅ぐためだ。その横に立つ探知要員(ハンドラー)のパク・ドンミン主務官も周期的に郵便物をトントンと叩いて注意を喚起した。
20分以上にわたって郵便物数千通を確認したディロンは麻薬が含まれた郵便物が出てくるとその近くに静かに立ち止まった。パク主務官が郵便物の内部を確認すると麻薬が入っていた。「よくやった」。パク主務官は業務を終えたディロンを撫でて「ダミー」と呼ぶリング形のおもちゃを取り出した。パク主務官は「麻薬探知犬は麻薬を探す業務も一種の遊びだと考えている。だが透徹した使命感で麻薬を見つけるので最高の選別要員でもある」と話した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府が掲げる「麻薬との戦争」の先頭に立つ影の立役者は麻薬探知犬だ。2日、韓国関税庁によると、ディロンをはじめとする38頭の麻薬探知犬が仁川空港など全国空港・港湾に配置されて活躍している。ヒトと比べると最大1万倍まで嗅覚が発達している麻薬探知犬は海外から巧妙に密輸しようとする麻薬を素早く突き止めるために特化している。目で見るのも難しい0.1グラム水準の麻薬も探知するほどだという。このように取り締まった麻薬類だけで今年に入って51件、8.1キロに達する(8月基準)。これら探知犬とあわせて韓国の麻薬取締まりの力量も世界最高水準という評価を受けている。