イランの最高指導者ハメネイ師が、イスラム諸国に対しイスラエルへの石油・食料の禁輸措置を促した。

ロイター通信は１日、イラン国営メディアの報道を引用し、ハメネイ師がこの日学生らにした演説で「ガザ地区に対する爆撃を直ちに中断しなければならない。シオニスト政権に対する石油と食料の輸出を中断しなければならない」と明らかにしたと伝えた。

これに先立ちパレスチナのイスラム組織ハマスと戦争中のイスラエルがガザ地区での地上戦を拡大すると、イランは先月２９日に「レッドラインを超えた」としてイスラエルに強力な警告メッセージを送っている。

ハメネイ師は「最近のパレスチナに対する犯罪」にかかわっているとしてイスラエルを支援する米国に対しても批判している。

ハメネイ師は「イスラム世界はガザ地区の重大な問題と関連し抑圧されるパレスチナ国家に反対する者たちが米国、フランス、英国という事実を忘れてはならない。『イスラエルに死を』『米国に死を』」と叫んだ。

イスラエルは反イスラエル、反米の先鋒であるイランがハマスに武器を支援した結果、今回の戦争が発生したと主張している。

イスラエルのネタニヤフ首相は先月２８日の記者会見で「イランの支援なくしてハマスは存在しえない。イランはイスラエルだけでなく西側を敵対視する『悪の枢軸』」と非難した。

これに対しハメネイ師は「西側の破廉恥な行為のひとつはパレスチナ戦士らをテロリズムとして非難すること」と対抗した。

イランは戦争に直接参戦する代わりに石油・食料禁輸措置でイスラエルに対する圧迫に出た。ただ代理勢力を通じて戦争に介入する可能性は残っている。

イラクのシーア派武装勢力、シリアのアサド政権、レバノンの武装勢力ヒズボラ、イエメンの反政府武装組織フーシなどはハマスとともにイランの支援を受ける反米・反イスラエル勢力に挙げられる。