「人工知能（ＡＩ）規制のためにグローバル協力を強化しなければいけない。『ＡＩの安全に関する国際協議体』（ＩＰＡＩＳ＝Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｐａｎｅｌ　ｏｎ　ＡＩ　Ｓａｆｅｔｙ）など独立的で専門的な国際機構を創設し、長期的に危険性をモニタリングし、早期警報機能を構築する必要がある」。

グーグルの元最高経営責任者（ＣＥＯ）エリック・シュミット氏は１７日、中央日報の書面インタビューで「ＡＩを統制することはＡＩ機能を開発することよりもはるかに大きな挑戦になるかもしれない。適切な保護装置を用意し、過剰規制本能も避けなければいけない」とし、このように明らかにした。

インタビューは韓国国際交流財団（ＫＦ）と国際戦略フォーラム（ＩＳＦ）がソウルで共同開催した「２０２４　ＩＳＦグローバルサミット」を契機に行われた。シュミット氏が設立したＩＳＦは２０２０年から毎年、世界次世代科学人材を選抜・育成している。ＩＳＦグローバルサミットは技術と国際問題専門家を中心に新進リーダーを選抜し、分野間のネットワーク構築を目標にする行事だ。シュミット氏は２９日まで韓国で開催される今回の行事にはオンラインで出席する。以下は一問一答。

－－ＩＳＦグローバルサミットの意義は。

「ＩＳＦは有望な次世代リーダーのネットワークを構築し、他の人々を助ける機会にすることを目標とする。

『技術』と『地政学』の関連性が高まる中、両分野の専門家が会って意思疎通をする空間が不足している。

ＩＳＦは技術と国際的懸案を結合し、さらに安全で自由な世界を築いていくリーダーのネットワークを支援しようとする」

－－今年は初めて韓国でＫＦと共同で行事を開催する。

「２０１６年に囲碁チャンピオン李世ドル（イ・セドル）とアルファ碁が対決したグーグルディープマインドチャレンジマッチのためにソウルを訪問した良い記憶がある。歴史的にＡＩ分野で韓国の地位を考慮すると、今年のＩＳＦグローバルサミットを韓国でＫＦと共同開催することができ、うれしく思う。また、これは極めて自然なことだ。韓国はグローバル技術サプライチェーンで重要な地位にいて、インド太平洋地域に役割を拡大している」

－－ＡＩの危険性について繰り返し警告してきたが。

「ＡＩを統制することはＡＩの機能を開発することよりはるかに大きな挑戦になるかもしれない。ＡＩは我々の社会のほとんどすべての側面を前向きに革新する潜在力を持つと確信するが、危険も確実に存在する。したがってＡＩ規制に関するグローバル協力を強化しなければいけない。一国が完ぺきな対策を用意するとしても他国がこれに従わなければ依然として危険に直面するからだ」

－－具体的にどうするべきか。

「適切な保護装置を用意し、過剰規制も避けなければいけない。しかし、ほとんどの国の立法府は技術がどのように作動し、どれほど急速に変化しているか確固たる理解がない。この問題を解決するには我々の前に何が置かれていて、我々は何ができるのか、証拠に基づいて予測できる独立的で、専門家が主導する機構が必要だ。世界は『ＡＩの安全に関する国際協議体（ＩＰＡＩＳ）』でこの問題を議論することができる」

－－これに先立ちメディアを通じて提案したＩＰＡＩＳではどんなアジェンダを主に扱うべきなのか。

「この機構はＡＩモデルデータを厳格に収集する中央ハブでありＡＩ開発者が報告する信頼できる機関になるだろう。また、ＡＩシステムの力量と発展速度について適時に、技術的に信頼できる評価を提供するだろう。長期的なモニタリングと早期警報機能だけでなく、国際規範を形成するのにも影響を及ぼすということだ。主に扱うことになる議題は、ＡＩの現況と危険性、潜在的影響、そしてこれに関連したタイムラインを評価することだ。ＩＰＡＩＳが扱う議題は科学的に収集されたデータに公正に焦点を合わせるという点で期待を集める。利害衝突の危険がある１次研究および政策提案は排除されるだろう。政策立案者に最も必要なのは何よりもどんなＡＩ機能が開発され、今後どんな機能が開発されるかに関する独立的で科学的な合意だ。これが安全なＡＩ開発のための必須基盤となる」

「ＡＩ規制がさらに重要だ」…グーグル元ＣＥＯのシュミット氏がした提案（２）