【時視各角】HYBE事態とK-POPの未来
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.05.07 09:31
やはりミン・ヒジンは大衆をよく知っていた。HYBE(ハイブ)傘下レーベル(レコード会社)のADOR(アドア)を率いてガールズグループNewJeans(ニュージーンズ)を世界的に成功させたスタークリエーターの底力には理由があった。「経営権簒奪」(ADOR独立)というHYBEの疑惑提起以降、刺すような視線の中で開かれた記者会見は1本のモノドラマのようだった。スーツではなく普段着姿で、提起された論点を一つ一つ論駁するのではなく、内密なカカオトークの対話内容を見せた。時には罵詈も交えながら涙も流す場面が加工なくユーチューブ(YouTube)で生中継された。誰かの言葉のように酒の席で彼女の愚痴を聞いているような感じだった。「リアルな」会見方式に大衆は彼女にすっと感情移入していった。
中でもハイライトは「クソおやじども」「私が運転手付きの車に乗るか、酒をクソ飲むか、ゴルフをするか」「私の法人カードは夜勤の食事代しか出ない。しかもペミン(出前アプリの略語)」発言だった。「クソおやじども」で象徴される非合理的で男性中心的組織文化を経験してきたサラリーマン、特に若い女性たちが爽快だと言って歓呼した。世論もひっくり返った。ミン・ヒジンTシャツと帽子が飛ぶように売れた。インセンティブだけで20億ウォン(約2億2800万円)のCEOが韓国サラリーマンのアイコンになる瞬間だった。