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【社説】国民の税金まで支援した韓国代表企業サムスン電子労組のスト

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.07.10 12:02
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1969年の会社創立から初めてサムスン電子でストが行われた。サムスン電子最大の労働組合である全国サムスン電子労組は数日前に3日間のストに入った。全国労組は合理的な賃金引き上げと成果給の透明な改善などを要求した。労組は今回のストの目的を「半導体生産への支障」と公然と明らかにしている。当面は生産に支障はないというのが会社側の説明だが、15日から2度目のストが予告されており、組合員の大多数が半導体(DS)部門の所属のためストが長期化する場合には生産への支障が懸念されるほかない。半導体事業所は24時間稼動するため、少しの時間であれ止まれば被害が手の付けようもないほど大きくなる。

サムスン電子労組も他の労組と同じようにストをする権利はある。賃金交渉と団体交渉は労使の自律的交渉に任せるのが優先だ。それにもかかわらず今回のストを見守る心境は楽ではない。梅雨の雨の中で大規模集会を開き、現場ライブ配信画面に「ファウンドリークリーンラインが止まった」などの文字が表示されると組合員は歓呼した。顧客との信頼が重要なファウンドリー(半導体委託生産)部門の特性を考慮すれば、労組のこうした姿は「天に向かって唾を吐くもの」という指摘は避け難い。

 
サムスン電子はだれもが認める韓国の代表企業だ。時価総額は8日終値基準で522兆ウォン(約61兆円)、KOSPI全時価総額の22.3%を占める。実に25年間も1位だ。経済成長率や輸出、税収などの経済指標にも大きな影響を及ぼす。サムスン電子労使は年俸引き上げ率で会社が提示する5.1%と労組が求める6.5%をめぐり争っている。せっかく戻ってきた半導体景気回復期を労使対立に振り回されて浪費するのはやめなければならない。昨年のサムスン電子社員の平均年俸は1億3500万ウォンだ。貴族労組もストはできる。だが「ノブレス・オブリージュ(社会的地位を持つ者が持つ道徳的義務)」とまでは言わなくても韓国1位の企業の社員らしく重い責任感を持たなければならない。

世界的な半導体競争で遅れをとらないようにと韓国政府が与えた減税優遇をサムスン電子はまとめて得ている。国家財政研究所によると、昨年サムスン電子が受けた税金減免額は6兆7068億ウォンで圧倒的1位だ。K-CHIPS法にともなう国家戦略技術控除拡大、海外子会社配当金非課税、臨時投資税額控除再導入など破格の減税が続いた。韓国政府は今年も17兆ウォンの低利貸付と、道路・用水・電力などのインフラ支援を約束した。与野党と政界は政府よりもさらに強力な支援法を競争的に出している。税額控除率を高め、政府がためらう補助金支給まで含む内容だ。サムスン電子がこれまで受けてきた減税優遇と今後予想される追加支援はすべてこの企業を応援してきた国民の税金から出る。いくら民間企業のストであっても大企業であるのにサムスン電子に税金を快く支援してきた国民の深い思いをしっかり推し量るよう望む。

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