【コラム】背信のアイコンになった尹美香
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.26 11:36
ロシア革命を成功させたレオン・トロツキー(1879-1940)には黒歴史がある。政治的・経済的に窮乏した時期(1917年)、妻の指輪を持って質屋に行った。交渉の末、26ルーブルを持って出てきたが、地域のならず者に会ってお金を奪われる危機を迎えた。屈辱的な瞬間、ボルシェビキを支持する水兵ニコライ・マルキンの一党が現れて助けられた。その後、マルキンはトロツキーの側近になり、大きな力となった。しかしトロツキーは内戦中にマルキンを死地に送った。自分の人生最悪の瞬間を目撃されたうえ、ほかの人とは違って偶像としての権威を認めないマルキンが気に入らなかった。命令に従ったマルキンは死の直前、悔しさを抱いたに違いない。
背信の側面でみると、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)元代表の尹美香(ユン・ミヒャン)氏(共に市民党から国会議員に当選)に対して92歳の李容洙(イ・ヨンス)慰安婦被害者が感じた背信の強度は、死を目前にしたマルキンに劣らないだろう。李さんは「尹氏がデモ(水曜集会)をするたびに子どもたち(大学生)から募金するのをみて胸が痛んだ」 「バスケットボール行事におばあさんを動員して募金箱を回す時も恥ずかしかった」と告白した。25日の記者会見でも「募金行事が終わってお腹がすいたと伝えたところ、お金がないと言われた」とし、誰のための挺対協なのかと声を高めた。これまでのうっ憤が爆発したのは、尹氏が国会議員になると明らかにした時だった。「慰安婦問題を解決するために断るべきだった。私利私欲のためにすべてを人に任せて」。