韓国ポン・ジュノ監督も絶賛…『パラサイト』の道をたどる濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.12.24 16:08
主演俳優の西島は演出者として、濱口監督の個性に「精密な脚本と50回に達する台本リーディング」を挙げた。「セリフから感じられる意味に重みがある。演じるのが難しいセリフ」とし「村上春樹の原作とチェーホフの戯曲などがすべて調和を作り出す観念的な作品なので、現場でも何度も台本を読んで俳優の中に刻み込ませる作業を繰り返した。テキストの意味が俳優の体に入ると感情は自然に出てきた」と明かした。
実際の撮影現場も、劇中の家福の演劇練習過程と同じだったという。オーディションで選ばれた韓国俳優パク・ユリム、ジン・デヨン、アン・フィテをはじめ、言語が違う俳優が互いにぶつかりながら次第に馴染んでいった。このようなリーディングのやり方について濱口監督は「撮影現場で俳優同士が相互シナジーを感じることができる関係を作り出すのが最も重要でないかと思い、以前からこのような台本リーディングをおこなってきた」と語った。
濱口監督は平凡な主人公が災難に見舞われながらも再び立ち上がるというテーマを一貫して描いてきた。東日本大震災の被害者インタビューをまとめたドキュメンタリー『なみのおと』『なみのこえ 気仙沼』『なみのこえ 新地町』に続き、出世作である『ハッピーアワー』は神戸、『寝ても覚めても』は津波が襲った仙台地域などを舞台に大震災以降の虚無感と不安を作品に落とし込んできた。『ドライブ・マイ・カー』の舞台である広島は戦争中に原爆が投下された場所だ。