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【コラム】嫌悪文化=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.01 11:15
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韓国社会に嫌悪文化が広まっている。ずっと以前は政治的嫌悪が氾濫して左派嫌悪と右派嫌悪が社会を二分し、地域嫌悪によって隣人との間に心理的乖離感を生み出した。ところで嫌悪は時間が経過して徐々に消えるのではなくむしろ拡張され、高齢者をトゥルタク虫(入れ歯をカチカチ鳴らす人々)、子どもの母親をマム虫と称して人を虫扱いする深刻な嫌悪文化が生まれた。最近では女性嫌悪、男性嫌悪、障がい者嫌悪まで進み、韓国社会が文化的末期に到達したのではないかという気さえする。

嫌悪文化はコロナウイルスのように伝染力が強くて、人間を怪物に仕立てる悲惨な結果を生むので必ず退治しなくてはならない。人種差別と似ていて、社会を分裂させて根拠のない敵がい心で人を傷つけることが増える。

 
ヒトラーのユダヤ人虐殺、中世カトリックの魔女狩り、クメール・ルージュの都市民虐殺、済州(チェジュ)の良民虐殺などの事件の裏に嫌悪文化が存在するということは誰もが知っている事実だ。では嫌悪論者が嫌悪を誘発して得る利益は何か。

第一は犯罪行為の合理化だ。ヒトラーはユダヤ人を閉じ込めて虐待した。外的にみすぼらしい姿に成り果てたユダヤ人はドイツ人の嫌悪の対象となり、アウシュビッツでユダヤ人を虐殺したドイツ兵士は何の呵責も感じなかったという。今でもある人々や地域を除去したり撤去するときに嫌悪を感じさせるような術策が使われることがある。

第二に問題の隠蔽だ。自身に向けられる視線をそらすために嫌悪対象を作るのだ。日本右翼政権は嫌韓戦術を執拗に使っているが、これは自分たちの実情に対する責任を転嫁するためだ。関東大震災当時、朝鮮人嫌悪を拡散させたのがその例だ。

第三は私的利益だ。欧州の南米原住民嫌悪は南米収奪のための嫌悪論で、中世魔女狩りも魔女に集まった人々のお金を狙った嫌悪犯罪だったという。韓国の場合、新教の「パンツ牧師」として有名なかの人は前政権を非難して嫌悪対象にして自分は愛国の志士のように振る舞った。それから後ろで政治家と野合して私益を追求することによってまともな牧師さえ頭を上げられないようにした。嫌悪を利用して金儲けしたにもかかわらず相変らず堂々としている。

第四に、病的な自分陶酔だ。嫌悪は病的な選民意識を作り、これは再び身分上昇欲求をあおり、自己欺瞞をすることになる。つまりありのままの自分を見ることができず、自ら作ったものに陶酔し、まるで麻薬を投与された患者のように妄想の中の快感を享受しようと思う。

それなら嫌悪論者の病的な心理は何か。逆説的にも自己嫌悪だ。ポーランド・アウシュビッツ収容所を訪問した。今でも死体を焼いたおぞましい臭いが消えないここで予想外のものを目にすることになった。ドイツ人障がい者の遺骨と遺品だ。ヒトラーは純粋血統を作るためにドイツ人障がい者を大量虐殺したが、これはヒトラー自身が自己嫌悪が強い人物であったことを立証する。

彼らはほぼ変態性欲者だ。他人を虐待して快感を感じる者は他の人から虐待を受けることを望んだり自虐が激しかったり、あるいは成長過程で虐待を受けたりした人々だ。また、彼らは自我が脆弱だ。そのため個人の声を出すことができず集団の声に載せて声を出す。一言で格好の悪いことだ。

また、彼らは放火狂と似たような心理を有している。放火狂は火災による人命・財産被害には無関心だ。人々が被害を受け、財産が破壊されるのを見て楽しむ。彼らは慢性的な個人的挫折を体験した者であり、平均以下の知能を持った者だ。社会的敗者が人に対する嫌悪感をあおるということだ。

それならこのような嫌悪論者にどのように対応するべきか。誰かが自分を嫌悪できないようにするには頭を下げてはいけない。彼らの攻撃性をあおる結果を生むためだ。上品な生活を送らなければならない。言語も生き方も上品でなければならない。いくら貧しくても使う言葉の水準が高ければ誰も彼を無視できない。逆にいくらブランド品で固めても使う言葉が薄っぺらいものなら無視される。

我々は嫌悪文化をなくすために努力しなければならない。人が人を嫌悪する雰囲気は社会的水準を引き下げ、国家そのものを没落させることもできる。韓国も国が沈没しないようにするために、嫌悪文化を除去して健康な文化が根を下ろすようにしなくてはならない。

ホン・ソンナム/カトリック霊性心理相談所長

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