【時視各角】攻守が入れ替わった韓日関係
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.20 08:56
故人となった安倍晋三元首相の報道写真の中で忘れられない場面がある。2014年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議) で聴衆席の一番前の席に座り、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領の演説を傾聴する姿だ。日本が慰安婦問題を解決すべきだとして就任から1年経っても首脳会談に応じなかった朴大統領に近づくためのジェスチャーだった。朴槿恵-安倍の初会談はそれから2カ月後に韓日米会談形式を借りて行われ、2国間会談は3カ国会談からまた1年8カ月が経過した後に実現した。少なくとも過去の問題に関しては韓国が攻勢、日本が守勢の立場というのが韓日関係の定形化されたパターンだった。
そのパターンが崩れて攻守が逆転したのは文在寅(ムン・ジェイン)政権の時期からだ。日本は2018年の韓国大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決以降、「韓国が国際法を違反したため韓国が先に問題を解決してこそ韓日関係は正常化する」として攻勢に転じた。文在寅政権の反日「竹槍歌」は高まったが、一方では首脳会談の実現にこだわった。多国間会議のレセプション場で先に近づくのはいつも韓国の大統領だったし、できるだけ避けようとする日本の首相が遠ざかることもあった。文前大統領は東京オリンピック(五輪)を契機に韓米朝会談の火種を生かそうという一念で日本に注力したが、菅義偉前首相の反応は冷淡だった。