【時視各角】韓国を襲った未熟な先進国症候群
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.05.05 10:02
財政は悪化し、経済成長率は1%も大変だ。個人でいうと、貯蓄もないのに所得が増えない。結局、不足するお金は「マイナス通帳」に頼る。大韓民国がこうした状況だ。国家債務が1000兆ウォン(約100兆円)を超え、公務員・軍人年金の引当金まで含む国家負債は昨年2326兆ウォンにのぼった。昨年の実質国内総生産(GDP)1965兆ウォンを大きく超える。今年は低成長トンネルに入って税金収入が大幅に減っているため、政府の予算639兆ウォンより税収は20兆ウォン以上も少なくなる見込みだ。経済規模10位、半導体強国、Kカルチャーを誇る韓国がなぜこのようになったのか。国民に過ちはない。今でもメキシコを除いて世界で最も長時間の勤務をする。要するに陣営間で限りなく争う政治家の責任が大きい。
特に最近の財政悪化は文在寅(ムン・ジェイン)前政権の責任が大きい。無尽蔵のように財政を出動させた。「(GDP比)国家債務40%の根拠は何か」という2019年の当時の文在寅大統領の一言で、大韓民国の健全財政基調は崩れた。在任5年間で国家債務が400兆ウォン以上も増え、国家債務比率は30%台後半から50%に増えた。南米でも見られた、急激な政府支出拡大で財政が深刻化する決定的な時期だった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権はこの政策の暴走を防いだという評価を受ける。しかし経済が厳しくなり、適切な突破口を見いだせずにいる。精巧でない政策調整に総選挙まで控えていて、労働・年金・教育改革は水の泡になったという声までが出ている。さらに大きな問題は争いながら似ていく、前政権に劣らず財政を軽視するような政策基調だ。